金融の仕事
僕はここ数年、小さなソフトハウスに勤めている。 業種としては、サービス業ということになるのだろうか? 銀行や証券会社といった金融の仕事をする人から見ると、僕らはどう見えるのだろう? 僕らは、本当にちょっとした売上を稼ぐために、長時間かけてあくせくと働いている。 サーバーの設定をしたり、プログラムを書いたり、テストをしたりと。 勤めている会社の社長は、もともとは技術職だ。 会社勤めから、一念発起して、会社を立ち上げたらしい。 社長は、日々の資金繰りに悩んでいる。 僕らの人件費、仕事場の賃貸料、機材の費用、光熱費、いろいろと金がかかる。 競争も厳しく、売上もなかなか上がらない。 そう簡単には潰れたりしないだろうけど、とても安泰とは言えない。 会社には、時々融資している銀行の人達が来る。 彼らは、僕らとは縁のない金額を、毎日仕事で見ているのだろう。 銀行の人達は、高そうなスーツを着ている。 給料も、それなりに良いのだろう。 うらやましと思ったりもするが、彼らは彼らで大変なのだと思う。 精神的なプレッシャーもあるだろう。 大学を出るときに、金融の仕事も考えたこともある。 でも、営業といった仕事が、自分には向いていないと感じてやめた。 地味な仕事ではあるが、いまの仕事も悪くない。